それまでの3ラウンド×3レース=9レースを全てドゥカティワークスのアバウロ・バウティスタ選手が独走優勝というあまりにも面白みのない展開だったわけですが、3戦を消化した時点で、エンジン回転数上限の見直しが行われたことで、今後に期待をしていました。
ところが、見ないようにしていたもののSNSからおよその結果はネタバレしていたのですが、改めてきちんとレースを観て、今回のエンジン回転数上限の見直しが意味を成していないことがわかりました。

まぁ、それもそのはずで、以前「WSBKの憂鬱」という記事でも書いたように、元々のエンジン回転数制限がドゥカティだけが突出した16,350で他メーカーは15,000に満たないところを、ドゥカティの回転数を「-250」ホンダが回転数14,550に「+500」というものだけなので、ほとんど意味のないものでした。
友人は2位以下が拮抗して面白いと言いますが、私は1位が独走している中での2位バトルを素直に面白いとは思えません。

これまでは、異常に速いのがトップのバウティスタ選手のみだったことで、ドゥカティのマシンというよりはMotoGPからコンバートしたライダーの速さと見る向きがありましたが、今回のレース2では、もう一人のドゥカティワークスのライダーであるチャズ・デービス選手も一時、力強い速さを見せていました。
結果的には順位を落としたものの、ドゥカティワークスのマシンのアドバンテージを感じることとなりました。
今回のドイツラウンドについては、前戦までのような圧倒的な独走とまではなりませんでしたが、エンジン回転数上限の規制を受けたバウティスタ選手が、再び独走すると再度回転数制限を受けることを嫌って、敢えて独走しなかったということも考えられなくもありません。
こんな穿った見方はしたくはありませんが、現状ではWorldSBKの人気は更に下降してしまうでしょう。
そんなWorldSBKに対して、最高峰のMotoGPの方は驚きの展開を見せています。

月曜日の未明に、足柄サービスエリアで手に汗を握りながら見守ったアメリカズGPでは、トップを独走と思われたアメリカズGP6連勝のホンダのマルク・マルケス選手がまさかの転倒リタイヤとなり、2位をキープしていた我らがバレンティーノ・ロッシ選手が久しぶりの優勝という夢のような展開を期待しました。


ところが、なんとスズキのアレックス・リンス選手が驚異の速さを見せて、MotoGPクラス初優勝をやってのけたのです。


ロッシファンの私ですが、スズキ車オーナーということもあり、スズキにも頑張って欲しかったので、これはこれで嬉しい結果でした。

チャンピオンシップのポイント争いでも、マルケス選手がノーポイントで終わったことで、ランキングトップがドゥカティワークスのアンドレア・ドビチオーゾ選手、2位にヤマハのロッシ選手、3位スズキのリンス選手に4位でトップと9ポイント差のホンダのマルケス選手となって、今後がますます面白くなりました。

ドゥカティは、WorldSBKでどうしても勝ちたかったのでしょうが、市販車にMotoGPマシンを持って来たような戦略で、圧倒的な勝利を手にしてはいるものの、結果的にWorldSBKというカテゴリーを終わらせてしまうのではないかと危惧します。

そうなると、カワサキは困るでしょうが、そのカワサキもMotoGPへ帰って来てくれれば、更にMotoGPが面白くなるのですが、そう思う様にはならないでしょうね。
