
ワールドスーパーバイク(WSBK)は3月の初めに開幕、既に2戦を消化しドゥカティのバウティスタの独走が顕著となり、これまでの面白さは消え失せました。
そして、いよいよ先週開幕を迎えたモトGPについても、終わってみればがっかりな結果です。
FP1では、撤退したスズキからホンダワークスへと移った私の推しのジョアン・ミルが、非常に良い走りをしていて興奮しましたが、どうやら開始直前まで霧雨のウェット状態だったようで、全く参考に出来ない状況だったらしい。
昨シーズンの散々な結果の後、テストを経ても、ドゥカティだけでなく、アプリリア・KTMといったヨーロッパメーカーに対して、明らかに日本メーカーのマシンが駄目駄目なのは、誰もが知るところでした。
しかしながら、ホンダ、ヤマハ共にマシンの開発に本気となり、少しの改善で一喜一憂したり、スズキの2名がホンダ入りして、もしかして?という期待感は持っていました。
その僅かな期待の中、FP2ではホンダの天才ライダーマルク・マルケスが、他車のスリップストリームを駆使してまさかのポールポジション獲得。
その天才ぶりを発揮しましたが、反面、他車のスリップストリームを使わななければタイムが出ないという、ホンダ車の根本的な問題を浮き彫りにしました。
一方、今回のポルトガルでは過去に最多の2勝しているヤマハの天才ファビオ・クワルタラロはすっかり沈んで、やはり・・・という予感。
ポールポジション獲得で期待の掛かるホンダのマルケスですが、今季から導入された予選日の半分の距離を走るスプリントレースで、その見事なテクニックで3位に入る活躍を見せたものの、ホンダ車の劣勢は明らかで、マルケス以外のライダーはは軒並み沈んでしまう結果となりました。
そして迎えたメインレース。
スプリントレースで転倒し、クワルタラロに当たったジョアン・ミルは下位なのにロングラップペナルティを下されて絶望的な状態なので、ポールポジションスタートのマルク・マルケスに期待が集中します。
ですが、やはりじりじりと後退する中で、2台を巻き込むとんでもないクラッシュを起してしまいました。
巻き込んだのが地元ポルトガルのミゲール・オリベイラということで、ブーイングの嵐で、終始謝罪の姿勢を貫いたマルケス自身も手首の骨折に加え、次戦のダブルロングラップペナルティが決定しました。
レースはスプリントに続いて、昨年のチャンピオンであるドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが優勝し、アプリリアやKTMも検討を見せました。
今回のレースを観る限り、今季のホンダ・ヤマハの活躍は絶望的でしょう。
初戦でこの状態は、もう二輪車ニッポンの終焉を感じざるを得ません。
来期に向けて、見違えるマシンに出来るかどうかも怪しいですが、その前に両メーカーが頼り過ぎたマルケスとクワルタラロという天才ライダーが、ヨーロッパメーカーへと移籍するのではないかと心配してしまいます。
もちろん、契約期間の縛りがありますが、契約を反故にしてでもマシンを乗り換えたいと思うだろうと感じさせるレース結果でした。
これは、オートバイレースの話だけではなく、現在の日本という国が持つ根本的な問題に起因するように思えて仕方がありません。