今日は朝から自宅の階段椅子式リフトの設置工事が始まっています。
今月半ばには、工務店に依頼した、玄関までのアプローチや2階トイレ等の改修工事が始まる予定ですが、お風呂については依頼していませんでした。
次男の事故後、脊髄損傷患者の生活面での情報収集に、ネット検索を活用するのはもちろん、これまであまり見なかったYouTubeを見たりするようにもなりました。
すると、お風呂については、シャワーで済ませる方も多いようですが、自力で浴槽へ浸かるとなると、普通の浴槽ではその縁の段差が障害となります。
もちろん、我が家もごく一般的な浴室です。

そこで、洗い場部分を底上げして、跨ぐことなく浴槽に降りては入れるようにすることを知りました。
もちろん、脊髄損傷と言ってもその症状は人それぞれであり、体力面や諸々の要素も関係してくるため、誰にでもそれがベストとは一概には言えません。
だからなのか、回復期のリハビリテーション病院でイレクターでの入浴台(洗体台)の話をしても、あまり反応してもらえませんでした。
とにかく大事なのは、次男の能力に合わせて対応する必要があることで、調べてみると、お風呂での改修については、ほぼ100%が矢崎化工のイレクターパイプが使用されているのです。

イレクターパイプとは、スチールパイプの上にプラスチックをコーティングしたパイプで、簡単にカットしたり豊富なパーツを使って、簡単に自由度の高い造形が可能で、専用の接着剤により誰でも簡単に作業可能です。
でも、ネットで見ると、その完成品の金額の高さに驚きます。

こんな椅子でこんなにするの???

福祉用品は、保険適用などがあるので、一般市場の商品よりもかなり高い印象です。
一般家庭のお風呂では、入浴台(洗体台)を二つくらい置いて入っている方もいましたが、脊髄損傷では、姿勢を保つことが困難なケースが多く、台からずれ落ちたなんてこともあるようなので、できるだけ大きな台を設けるとなると、3台必要なんじゃないかと思います。
それに、台を都度保管するスペースもありませんから、浴室へ常設とします。

1台でも4万円くらいしますので、3台だと10万円を超えます。

矢崎化工さんで特注もできるようですが、金額がもっと高くなるかも…。
相手の保険会社が対応するので、そこまで金額を気にする必要はないのでしょうが、どうにも納得がいきません。
自分の好きなようにしようと思えば、自作が一番!ということで、自作することにしたのです。
しかしながら、我が家の近所には、イレクターパイプを扱うホームセンターが無く、代わりにスペーシアパイプという同様の製品をホームセンターコーナンが扱ってくれています。
実は、私自身、キャンピングカー「オルビス・イオ」の前に乗っていた、ワーゲンのマルチバンという車中泊車で小さかった子供達の為に、シートの隙間を埋める台を、このスペーシアパイプで作成した経験がありますので製作自体は可能であることはわかっていました。
また、調べてみたら、イレクターが鉄パイプへの塗装なのに対して、スペーシアはメッキで、より水に強いことも判明しました。
類似商品ということで、イレクターがスペーシアを訴えたようですが、結果はスペーシアの勝訴となっているようですから、スペーシアでOKという判断となりました。
そうと決まれば、先ずは材料です。

ホームセンターコーナンでは、どちらのお店でも、ほぼ同じ品揃えでコーナー展開されていました。

頭の中で、ずっとどういう風に作るかを考え続け、売場で商品をチェックしながら、活用できるものはないかと探していました。

材料さえ手に入れば、仕事帰りでもテレビを見ながら作業するので早い…。

当初は、安易にパイプの上に厚いお風呂マットをダイレクトに敷くことも考えましたが、強度のことを考えて、一旦すのこを敷くことにしました。

木製のように見えますが、木では水を吸ってしまうので、プリスチレン製です。
中空だと固定が難しいだろうなぁと心配していましたが、詰まっていたのでステンレスのビスで固定できました。


乾いている昼間のお風呂場に何度か持ち込みながら、サイズを確認していきます。
その中で、当初は高さ調節の為、アジャスター式の脚を購入していましたが、ネジ式でネジ部分が露出する為、ここから錆びて来ると判断して、ゴム式の脚に変更しました。

また、すのこをパイプに設置する為の後付けパーツをうっかり勘違いして、違うパーツをなんと22個も買い直す羽目になりました。

でも、この手のジョイントパーツは1つ100円前後なので、大きな損失にはなりません。
すのこ3枚は、コーナンLINEの10%オフクーポンを使用しているので、実際のロスは僅かですから、保険会社も大目にみてくれるでしょう。
そんなこんなで、無事にすのこ天板の状態で入浴台(洗体台)が完成しました。

手前の切り欠きは、浴室のドアが折り戸であるため、開閉可能な最低限のスペースをカットしています。

子供じゃないので、このスペースに落ちることはないとは思いますが、念の為、ドアを閉めた状態では、ここも蓋ができるようにしてみました。
使わない時は、得意のネオジム磁石を貼り付けて、浴室の壁に貼り付くようにしました。


でも、そこに別で保管したすのこを載せるとなると、先ず使わないだろうなぁ…。


それに、万が一、浴室内で何かあった時に扉が開けれるかという問題もあります。

一応、その辺りも考えて、少し隙間を開けていますが、現在は他の方法を妄想中です。

実際に、すのこの状態で入ってみると、固いのでちょっとお尻が痛いかな。

ということで、この上にEVAマットを敷くことにしました。

次男専用で大型のジョイントタイプです。
で、次男以外の家族が入る時には、台がフラットである必要はないので、3分割の中間の台の天板部分を外します。

そうすれば、椅子に座った状態で違和感はありません。

やはりお尻が痛いので、EVAマットを敷いて、この状態で既に2週間ほど使用していますが、おばあちゃんには「跨ぎづらい」と苦言を申し立てられたものの、考えた上での3分割の割合なので、私的には使用感共に上出来だと感じています。
次男は自分も椅子式で良いかも?って言っていましたが、浴槽への出入りには全面フラットの方が良い気がするので、そこは実際に帰って来た時に入って判断してもらおうと思います。

完全にDIYを楽しんじゃってますが、保険会社は安くで済むので問題ないでしょうし、自分のアイデアを生かして、自分達が使いやすいように作れて、追加オプションも可能なので、次男のことでは、今後もスペーシアパイプが活躍しそうな気がします。