昨日妻が長男と長男がかかっている病院からの紹介で身体障害者センターなるところへ行った。長男の記憶力に問題を感じてのことである。
実は長男は数年前近所の公園に遊びに行って突然倒れ、意識不明のまま病院に運ばれた。病院に駆けつけた私に医師は「脳からの出血で脳を覆ったサランラップに血が充満しているような状態です」と状態を説明した。そのままでは出血の圧力で脳がダメージを受けてしまうということで緊急に頭の血液が抜かれた。その後ICUで眠り続けた長男は数日後目を覚ました。出血の原因は「脳動静脈奇形」という病気。生まれつき脳の血管が渦を巻いたような奇形でありスムーズに血液が流れないから血管に圧力がかかって血管が破裂してしまうという病気である。大人になってから破裂するケースも多いらしく脳内の血管の奇形というだけなので破裂するまで気付かないということが多いようだ。生まれつき頭の中に時限爆弾を持っているようなものだ。幸い長男はまだ小学生ということで脳も成長期だったため奇跡的な回復を示した。奇跡的とはいっても子供のケースでは珍しくないようだが…。
しかしながら、再発防止のためその奇形部位を取り除かなくてはならず、それには他の神経部位を傷つけてしまうことになるとのこと。背に腹は代えられないため朝から夜中までの手術を経て奇形部位を切除していただいた。他の神経部位とは具体的には視野であり、医師の予告通りに片側が半盲となってしまった。しかしそれ以外は頭蓋骨を開いたことで外部からのショックに気をつけるぐらいでむしろ長男の回復の早さに安堵していた。
その後も昨晩何を食べたか思い出せない等短期の記憶には問題がありましたが徐々に回復するものと期待をしていたが、一向に改善する気配がなく、最近のエピソードとしては妻が「折り紙」を3セット買いに行くよう「折り紙」を見せてお使いに行かせたにも拘らず長男は「色画用紙」を買ってきたという。このエピソードで今回お世話になった身体障害者センターの先生は「明らかに記憶障害である」と断定され、お使いを頼まれた時の「折り紙」と言う言葉が実際の「折り紙」と結びついておらず本人の脳では「色画用紙」と結びついてしまっているのだという。お使いを頼む時点で実物を見せても店ではその記憶が保持されていないため実物を持たせるか店で実物を確認できるようにしなければならないという。
今後、他の医療機関で専門的な検査を受けることになるが、長男の将来のため障害克服にいろいろな知恵が必要である。
2006年09月29日
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色彩とか音楽とか、そういう世界にのめり込むと凄い才能あるかもと思いました。
先天性のものではないので、あまり期待は出来ないと思います。
手術である神経を傷つけて歌が歌えなくなるかも?とも言われましたが、そこは大丈夫みたいですが、視力は言われた通り一部失いましたから。
とはいえ、生きていかなければなりませんから、ポジティブに考えていかないとね。
視力だって片方見えるし絶望しないでくださいね。
半盲というのも片目の一部なので多分普通の人の4分の一とか3分の一位が見えないだけですから。