この時期、デスクトップPCの置いてある書斎は寒くて、暖かいリビングから離れたくありません。
でも、PCでしかできない作業やPC内にあるファイルをどうにかしたい時には、リモートデスクトップが便利です。
スマホでは拡大しながらタップするような作業でも、iPad Airなら拡大することなく操作ができます。
また、画面の大きさによりキーボード自体も大きく打ちやすいので、PCライクな操作でPCそのものを操作できるのです。
ここは、7型タブレットではカバーしきれないところです。
これまでiPhoneやNexus7でもリモートデスクトップは利用してきたわけですが、基本的にはフリーのアプリを利用してきました。
iPhoneで個人的に使いやすいと感じているのは、「PoketCloud」というアプリですが、フリー版では接続先のPCがひとつしか登録できません。

複数のPCやネットワーク環境によって使い分けている場合には、その都度アドレスを入力しないといけないのが少し面倒ですが、我慢できないほどではありません。

また、サブ的に「RDP lite」というアプリもインストールしていますが、こちらは複数の接続先が登録できるものの、使い勝手では「PoketCloud」に劣ります。


今回、iPad Airでより快適なリモートデスクトップを実現するべく調べていると、マイクロソフト純正の無料アプリがあることを知りました。

早速インストールしてみました。

リモートデスクトップアプリ自体は、基本、PCのWindowsを操作する為のアプリなので、見かけそう大きく変わるものでもありません。

左上に見える手のマークはウィンドウズタッチを表していると思われます。
ウィンドウズタッチは、Windows8のタブレットOSで使うためのものですが、本来タッチパネルの使えないデスクトップPCが、リモートデスクトップ上で、Windowsタブレットとして機能するので、これはこれで面白いと感じます。

もちろん、デスクトップ用にはマウス的なポインタ利用が快適で、これらはマークをタッチするだけで切り替わります。

キーボードマークでは当然にキーボードが出現します。
接続を切るにも右の接続マークをタップするだけです。
マイクロソフト純正ということで、安定していて非常によくできていますが、個人的には操作感では「PoketCloud」の方が使いやすいです。
ポインタでクリックするのに2本指でタップする必要があるようで、どうもこれが慣れず、つい一本指でやってしまいます。
これは、慣れによる部分が大きいと感じますけど。

正直、iPad Airの大きな画面による、「PoketCloud」の快適性には驚きました。
「PoketCloud」もウィンドウズタッチには対応しているので、やはりWindowsタブレットとして使用できます。

本当は、この「PoketCloud」の有料版が良いかと思うのですが、「PoketCloud」の有料版は、使用期間による課金となるようで、どの程度使うかわからない私には、ちょっと買いにくい。
そこで、評価が高く、ユーザーのレビューも良さげなアプリを見つけました。

「Splashtop」です。

このアプリは、一般的なリモートデスクトップアプリとは違い、「Air Video」と同様に、PC側に「Streamer 」と呼ばれるサーバーアプリのようなものをインストールして、ストリーミング状態にするのか、反応の速さが魅力のようです。
「Streamer」は無料でダウンロードできるので、自宅と職場の両方にインストールしてみました。

解像度もiPad Airに最適化してくれるようです。

職場で試してみたところ、リモートデスクトップとは違い、モニター画面は消えずにミラーリングされるようです。

マウスというかトラックパッドがわかりやすくて反応もいいので、使い勝手は上々です。

ただし、なぜか接続するときにそのまま接続できずに、一旦切れてから繋ぎなおすという問題がありました。
また、自宅のWiFiでは接続が不安定で、時々画面が粗くなったり操作不能となることがありました。
ネットワークの相性なんでしょうか、かなり残念です。

操作性に関しては、評価の通り痒い所に手が届く感じです。
機能を使いこなせば、相当快適なのではないでしょうか。

キーボードももちろん、iPad Airの大きさによってかなり快適です。

マウスマークが示すように、親切なインターフェースが魅力でもあります。

右下のボタンをタップして出てくる各設定のバーも使いやすい機能が豊富にあります。
また、アンドロイド版もあるのですが、そちらは無料だったので、Nexus7にも早々にインストールしました。
反応の良い接続が魅力のアプリのはずが、なぜか我が家ではその接続に不安を抱えるという最悪の状態ですが、操作性の良さは間違いないので、しばらく使って行きたいと思います。
ところで、同じLANの中であれば、リモートデスクトップはそのPCのプライベートアドレスを打ち込むだけで利用できますが、本当に使いたいのはLANの外側であったりします。
要は出先で使いたいってことです。
その場合には、LAN内限定のプライベートアドレスでは繋がらなくなり、インターネットサービス業者から与えられるグローバルIPアドレスが必要になってきます。
家庭内のLANでは、ルーターがそのグローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに振り替える役割を果たしています。
なので、出先から家庭内のネットワークに接続しようとすると、先ずはグローバルIPアドレスでルーターに接続する必要があるのですが、困ったことに、このグローバルIPアドレスというのは、常に変動するのです。
固定のグローバルIPアドレスというものもありますが、オプションメニューで非常に高価ですから、ビジネス用途でないと利用できないというのが現実です。
でも、その変動するグローバルIPアドレスに接続するためにダイナミックDNS、いわゆるDDNSサーバーというサービスが提供されていたりします。
これは、インターネット上にDDNSサーバーを配置し、そのDDNSサーバーが常にグローバルIPアドレスを監視することにより、ユーザーは、そのDDNSサーバーにアクセスすれば、現在の自分のグローバルIPアドレスを持つルーターに接続できるというものです。
我が家では現在、NECのルーターを使用しているので、それに対応したBIGLOBEのDNNSサービスを利用しています。
同じく職場はバッファローなので、以前は対応する無料のDDNSサービスを利用していたものの、有料化となってしまったので、現在はDDNSサービスは利用していません。
それについては、後ほど説明するとして、外部からアクセスするとなると、VPN接続が便利です。
VPNとは「バーチャル・プライベート・ネットワーク」の略で、自宅等のネットワークの外に居ながらいかにも自宅のLANの中に居るようになる仮想接続です。
ルーターでその機能を有するものもありますが、無くてもPCをVNPサーバーとすることもできます。
スタートボタンがなくなって評判の悪かったWindows8ですが、そこは素晴らしく進歩していて、超簡単にVPNの設定ができ、VPN接続によるウィンドウズのファイル共有が、素晴らしく高速化されているようです。
これまでも、VNP接続は行っていましたが、基本はリモートデスクトップ目的でした。
今回、ウィンドウズのファイル共有が高速だということで、改めてチャレンジしてみました。
PCのVPN設定についてはググればたくさん出てくるので、ここでは省略します。
ウィンドウズのファイル共有については、ファイアーウォール内の「ウィンドウズのファイル共有」のところを弄ってやる必要があると思いますが、セキュリティにかかわるので、ここは自己責任です。
今回は職場PCから自宅のネットワークにVPN接続します。

先ずは、「設定」「ネットワーク」から作成済みのVPN接続を選択して「接続」をクリックすると、一瞬で繋がります。

左下右クリックで出てくる「ファイル名を指定して実行」を選択。

今回は、自宅ネットワーク内のNASに接続するので、\\の後にNASのプライベートIPアドレスを打ち込みENTERを押します。

すると、自宅NASのフォルダが表示されました。
このフォルダは、家庭内のLAN同様にファイルを扱うことができます。
リモートデスクトップの場合は、接続先のLAN内では自由に作業できますが、そのファイルを今操作しているPCに持ってくることはできません。
あくまで別世界の作業をコントロールしているに過ぎないのですが、今回は、2つのネットワーク間でファイルのやり取りができるわけです。
まぁ、以前使用していたバッファローのルーターでは、ルーターの機能として普通にできたんですがね。
VPNのファイル共有ということで、PCへ脱線しましたが、話をiPad Airに戻します。
このVPN接続は、PCだけでなく、スマホやタブレットでも接続可能です。
感の良い方なら、スマホやタブレットのネットワークの設定画面に「VPN」という文字があるのに気付いておられることでしょう。

これはiPhoneの例ですが、自宅のLANにVPN接続してみます。

無事、接続できたので、左上に四角で囲まれたVPNマークが表示されています。

先日の記事でも取りあげた、OPlayerでも、自宅の外に居ながら自宅のNASが表示されています。

今度はiPad Airですが、こちらも接続できました。
ちなみに、どちらも職場のWiFi経由での接続です。

実は、VPNの設定で苦労したことがあります。
それは、この「RSA SecuaID」という部分なのですが、ここは触っちゃダメなんです。
一度でも右のスイッチをオンにしてしまうと、勝手に設定されてしまって、接続できなくなるそうです。
その場合は、一度その接続自体を削除して、新たに新しい接続を作り直す必要があります。
よくわからず、むやみに触ってしまう方は要注意です。

自宅はOKだったので、今度は職場です。
でも、職場にいると外部にならないので、WiFi接続を切ってLTEの接続にします。
これなら、職場に居ながら外部扱いとなります。
ところが、接続できません。
「???」
原因は、職場のグローバルIPアドレスにありました。
先ほど書きかけましたが、職場はバッファローのルーターなのですが、有料のDDNSサービスには登録していません。
なので、ルーターの対応するDDNSサービスが無い状態なので、グローバルIPアドレスの監視ができない状態です。
でも、少し面倒くさいですが、回避する方法はあります。

バッファローのルーターの持つWebAccess機能を使います。
バッファローのルーターは、USB接続でハードディスクを接続すると、簡易NASとして利用できます。
その際、WebAccess機能というものがあり、外部から簡易NASに接続できるのです。
つまり、WebAccessするためのサイト「buffalonas.com」にアクセスして、ルーターの簡易NASにアクセスする過程で、このような形でその時点でのグローバルIPアドレスがわかるわけです。

「buffalonas.com」には簡易NAS以外にアクセスする機能はありませんが、グローバルIPアドレスがわかれば、その値を直接入力すればアクセスできるわけです。
なお、ログインせずともグローバルIPアドレスは表示されます。

これが、iPhoneでの簡易NASにアクセスした画面です。
今回は、簡易NASの利用が目的ではなく、あくまでWebAccess機能が使いたかっただけなので、ハードディスクではなく余っていた2GBのUSBメモリを利用しました。
USBストレージが接続されていないと、機能がオンにならないのでご注意ください。

今回、VNP接続ができなかったのは、ここの値が変更前の古いものだったからです。

「buffalonas.com」で表示されたグローバルIPアドレスの値に書き換えて保存します。

無事に接続できました。