
ちょっと、2ちゃんねるみたいなタイトルになっていますが、日曜日にインテックス大阪で開催された「大阪キャンピングカーフェア2015」にて、キャンピングワークス社の小西社長の元へ行くと、
「この展示会で、5人位の方に「オルビス販売中止なんだって」って言われたんだけど…」
って言われてしまいました。
当ブログの「最後のオルビス・イオ?」という記事を見たという方々が、皆さん口にされたとのことでした。
確かに、そういう内容の記事ですから、その通りなのですが、実際には、小西社長から直接聞いた話ではなかったので、今回、小西社長からの聞き取りから、一部訂正を含めて再度取り上げます。
まず、前回の記事から、一番に訂正しておきたいのが、オルビス・イオ自体は現在も販売中止にはなっていないという点です。
ただし、前回の記事の元になっているのが、当ブログにいただいた「とぼさん」という方からのコメントだったわけですが、その「とぼさん」が商談されていたタイミングと、現在とでは、色々と状況が変わっているようなのです。
ですから、キャンピングワークスが一時オルビス・イオのオーダーをストップしていたということ自体は間違いでもないと思われます。
また、現在、販売を中止してはいないとは言うものの、販売店経由のオーダーは受け付けないこととしていて、自社販売のみ来年初め納車の3台限定で受け付け可能ということです。
非常に複雑な内容となっていますが、ここで、ふたつ目の訂正があります。
それは、前回の記事で、オルビスが終売となる理由は、安全基準の問題では無いとしていましたが、どうやら、これが一番の原因のようなのです。
ただし、この安全基準の問題は、未だ内容がはっきりとしていないため、現時点では、クリアできる問題かどうかも判断ができない状態だということなのです。
ここで、でもそれって他のビルダーにも関係してくるよね?って素朴な疑問を持ちますよね。
そこについては、バンテック等、大手のビルダーさんはその法改正について、設備投資の準備があるということのようです。
一方、零細ビルダーにとっても、それを回避できる方法がないということは無いようですが、要はコストの問題のようです。
オルビスの販売で問題となってくるのが、韓国工場での生産能力の問題であり、現在は月間1台が限界ということです。
月間1台では、そこのコストの問題をクリアするのは難しいだろうというのが、現在の見解のようです。
現在受付可能な、来年納車の3台というのは、安全基準が変更となる時期までに納車が可能というのが大前提となりますが、それ以外に、現時点でのオルビスの残りの材料分を意味しているようです。
3台分の材料のストックはあるものの、それ以上は新たに仕入れが必用となるため、現在の不透明な状況下では、それができないわけです。
そんな非常に不安定な環境の中で、オーダーを受けてしまうということは、不測の事態も有り得るわけで、間接的となる販売店経由となると、キャンピングワークスとして、お客さんの状況を把握することが困難な為、結果的に販売店にも迷惑を掛けてしまうということで、直売のみとして、販売店に受注停止の案内をしたようです。
販売店(このケースではCCFオオモリ)もそれを、オルビス終売と認識していたようで、今回のショーで誤解を訂正したとのことなので、我々が正確に理解できるはずもありません。
非常に複雑な話となっていますが、要は来年の安全基準変更がはっきりするまでは、キャンピングワークスとしても、今後のオルビスの生産継続の可否を判断できず、現在の材料分のオーダーのみ受付はしているが、東京本社での販売に限定しているということのようです。
また、東京本社販売分であるはずの「とぼさん」の商談については、別途、その時点では、韓国工場との条件の折り合いの問題があったらしく、それもあって、オルビス生産中止の可能性が高まっていたものの、その後の韓国工場の体制や姿勢の変化により、現在では、韓国工場の問題は無くなった為、受注可能になったようです。
よって、来年のオルビスの終売という部分については、未だグレーということになりますが、あくまでもグレーであって、決定事項ではないので、終売は誤りということになります。
とは言え、月産1台という韓国工場の生産能力の問題は今後もついて回るため、オルビスで利益を出すことが難しいという現状が解決されない限りは、安全基準の問題だけでなく、為替の問題等、いろいろな原因が販売中止の可能性として存在しています。
小西社長としては、思い入れのあるオルビスの販売を継続したいという思いもあるようですが、現在は発電機部門だったJPジェネレーターが親会社でメイン事業という認識であり、発電機やエアコン等のキャンピングカーに搭載するシステムのメーカーという立場とのことなので、キャンピングカー本体の販売については、それらのシステムを搭載するための器という概念となっているようです。
よって、事業の核ではなく一部門となるキャンピングカーの販売事業は、それのみを事業とする他の零細ビルダーとは違って、コストを掛けてまで、安全基準をクリアして継続していくべき事業ではないという考えをお持ちのようです。
また、ジュニア・リボーンについても問題がない訳ではないらしく、ベース車である日産のバネット(マツダからのOEM)が来年、フルモデルチェンジの予定があり、ダブルタイヤでなくなる可能性があるそうです。
そのモデルチェンジによって、万が一、現在のジュニア・リボーンのシェルが載らない事態となれば、やはり終売の可能性を含んでいるようですが、ジュニア・リボーンの場合は、国内生産で、月産3台が可能らしいので、販売価格レンジの低さもあって、オルビスよりは、柔軟に対応できる可能性が高いようです。
何れにしても、新型次第ということなので、その情報が気になるところです。
最後に、このような記事を書くとネガティブに受け取られるかも知れませんが、キャンピングワークス社自体は、既に官公庁向けのシステムで利益を出している企業ですから、キャンピングカーの販売が無くなったとしても、業績がプラスになることはあってもマイナスになることはないと思われます。
また、実際にオルビスに乗るユーザーとしては、キャンピングカーという車自体、将来に渡ってビルダーに頼る部分が限定的ですから、貴重なベース車としては、手に入れることができる内に手に入れられることをおすすめします。
少なくとも、オルビスに関しては、ユーザーネットワークにより、かなりの情報が存在しますので、実使用では、ビルダーよりも余程助けになると思います。
よって、情報とキャンピングカー対応可能な最寄りの自動車工場があれば、そう心配の必要はありません。
むしろ、この先販売がどうなろうとも、オルビスが素晴らしいベース車であるという部分を、どうぞ見逃さないで欲しいと思います。
発電機搭載を、サブフレーム段階から考慮しているのはオルビスだけなのですから。
※今回は直接小西社長から話を伺ってはいますが、私自身も全て、その内容を把握出来ているという自信もありませんので、間違いも存在するという前提でお読みいただきますようお願いします。間違いがあったとしても当方で責任は取れませんのであしからず。実際、小西社長の脳内で変更になることもあるような気が・・・。