それがこれ「AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか」という本です。

四季報とは無縁な私ですが、芸能から経済まで幅広い参考知識と単なる興味で覗いているキャッチーな記事で有名な「東京経済オンライン」で興味を持った中原圭介氏のブログをFeedlyに登録していて、この本の発刊を知りました。
この中原圭介氏は、経営アドバイザー・経済アナリストとして活動されていますが、イケイケの投資アナリストとは違って、ネガティブな見方も多く、経済(株価)動向の読み違いに対して、真摯に対応しておられ、先の世を読み解く上では、参考にしたい一人だと感じます。
そんな中原氏が書く少子化問題ということで、読んでみたいと感じたのです。
ご存知の通り、我が家には4人の子供が居て、出来の良くない我が子を人並みに社会へ送り出したいと考えて、何の後ろ盾もない私は、がむしゃらに働いてきました。
努力の甲斐あって、運にも恵まれ、自分たちの老後の資金を考えなければ、子供たちを全員、何とか大学まで行かせてやれるかなと思っています。
もっとも、未だ先は長いので、状況が変わればそうは行かなくなる可能性もありますが…。
この時代に4人の子育てをしている(長男は社会へ出ましたが)からこそ、今の子育てに難しさを感じるところがあり、それを一向に改善しない少子化傾向が証明しているようにも思います。
人口減少の部分は、この本を読まずしても、少子化が進んでいる以上ある程度想像はできますが、孤独死や高速道路の逆走等、いろいろなところで既に老人社会の影響が出始めています。
ですが、この「AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか」を読んで、そのスピード感に危機感を強くしました。
2040年から2060年の間では、和歌山県や香川県(に相当する人口)が1年で消滅してしまうと聞くと、ちょっとびっくりします。
老人社会については、少子化に関わらず、いずれ老人人口も大きく減少することから、一過性のものとも言えますが、その後の少人口の社会がどのようなものになるかは想像がつきません。
国には老人介護要員としての一時的な移民はありとしても、より重要な根本である人口を維持する上で必要な出生率2.08を達成してもらいたいものです。
少子化の原因や今後の方向性についても、著者により詳しく述べられていますが、そこは本書を読んで下さい。
まぁ、AIについても人口減少についても、言葉を目にする機会も多く、既に漠然と感じている状況ではあるわけですが、私個人としては、本書を読んで、ちょっとAIを甘く見ていたと感じています。
AI=進化したコンピューター位にしか感じていなかったので、様々なことがAIに置き換わるということが想像できていなかったのだと思います。
自宅で「アレクサ」とやってみても、すごいと感じるのは初めだけで、不具合が目につき、脅威を感じるようなものではないからです。
しかしながら、2012年のAIビッグバンによって、AIは眼を持ち、脳と同じ複層のネットワークの再現により、飛躍的に進化したと言います。
人間の脳が5〜6層のネットワークであるのに対して、コンピューターは制限がない訳ですから、想像の付かないことが現実になってもおかしくないわけです。
AIによって、いろいろな分野で生産性や研究開発のスピードがアップすることが期待され反面、これまでそこに携わって来た人間の仕事がなくなるという問題があるのです。
一見、AIには無理だろうと思うような業種であっても、その仕事のほとんどはAIに取って代わることができると言います。
弁護士として、法廷で弁護はできなくとも、莫大な資料から勝訴できる内容をまとめ、弁護士はそれを読むだけとか、医者として、患者に直接接することはできなくても、データベースから病気の可能性やその適切な治療を導き出し、ロボット技術と相まって、手術までもこなし、人間の医者は、患者の話を聞いて、AIの判断を伝えるのみの仕事になる・・・そんなこと想像できますか?
実際こんなニュースもありましたね。
AIで自動車事故の過失を判定 損保ジャパン、年内に導入へ − 共同通信社
そう言えば、身近にパートタイマーの出社の時間割をAIが決めるというような話も聞きました。
AIと言うと、何となくロボットのようなイメージがあって、現実味が薄かったのですが、表面的には見えなくても、中に入ればほとんどをAIが処理しているなんて時代は、もうすぐそこにあるのかも知れません。
そんな時代に対応していくには、AIに使われるのではなく、AIを使う人間になる必要があるようです。
もちろん、AIに対して必要以上に恐れる必要はないということで、こんな意見もあります。
AIが「知能」になる日は来ない − 池田信夫 blog
なるほど、そうかも知れない。
でも、AIの進化の先には革命的なイノベーションが起こる可能性もあるでしょう。

今は可能性の話かもしれないですが、後に当たり前になったものは沢山あるのですから、予想図のひとつとして持っておく必要はあると思います。
私には、仕事上ももうあまり関係のない話ですが、未来ある子供達には働いていく上での大きな問題なので、使わないかも知れない予想図として持たせることも必要なのかも知れません。
