前回のスペインのカタルニアラウンドでは、昨シーズンのチャンピオンであるヤマハのファビオ・クワルタラロ選手がぶっちぎりの優勝を飾り、4位にスズキのジョアン・ミル選手が入ったとはいえ、計8台、全体の1/3を占めるドゥカティ車の強さが目立ち、今シーズンはこれまで優遇を受けて来たアプリリアの2台がはじけたような強さを見せており、来シーズンはプライベートチーム2台が加わり4台体制となることが決まっています。

ヤマハは現在ランキングトップのファビオ・クワルタラロ選手との2年契約更新に成功したものの、ヤマハで強いのはファビオ・クワルタラロ選手だけであり、最高速の遅さを何年も指摘され続けているものの改善できず、ファビオ・クワルタラロ選手でさえ、ストレートがものを言うコースではとても勝てないという状況が続いています。

よってチャンピオンシップのランキングも現在はヤマハのファビオ・クワルタラロ選手がトップではありますが、今後、2位のアプリリアのアレイシ・エスパロガロ選手やランキング上位のドゥカティ勢に追い抜かれかねない状況です。
ファビオ・クワルタラロ選手と他のヤマハのライダーとの差が大きすぎる異常な状況で、来シーズンにアプリリアが4台体制となる反面、ヤマハはワークスの2台だけに戻るようです。

撤退となるであろうスズキに未来は無く、マルク・マルケス選手頼みだったホンダもマルク・マルケス選手の再手術による欠場で、今週末のドイツGPも期待が持ち難い状況です。
よって昨日の初日の結果は、辛うじてファビオ・クワルタラロ選手のヤマハが7位に位置しているものの、上位はドゥカティとアプリリアのイタリアンメーカーが埋め尽くすという状況です。
ちなみに10位にミル、11位にリンスのスズキ勢が入ってはいましたが、厳しいと言わざるを得ません。
イタリアンメーカーのドゥカティやアプリリアの活躍を否定するつもりはないですが、これまでモトGPの歴史を築いて来た日本メーカーの不甲斐なさは、やはり日本人として残念でなりません。
ライダーでなかなかトップを取れない日本人ですから、マシンでは負けたくないというのが本音です。
このような状況では、日本の技術力というものに世界からの信頼が無くなっていくのは時間の問題です。

そのようなモチベーションの上がらない状況で、間もなく秋のもてぎで行われる日本GPのチケットが販売開始されるのですが、やはり、もてぎ行きへのモチベーションも上がりません。

我らがバレンティーノ・ロッシが昨シーズンで引退してしまい、個人的にロッシの後継者として応援するとしていたジョアン・ミルもスズキが撤退濃厚となり、スズキを応援する気持ちが失せてしまいました。
ハードなスケジュールで夜間の長距離運転や、激しい競争の中のチケット争奪戦のプレッシャーはモチベーションがないと対応できません。
なので、コロナ明け開催も今シーズンのもてぎはスルーとなる可能性が高いです。
ジョアン・ミルのレプソルホンダ移籍が決まれば、またモチベーションを上げられる可能性があるので、早くミルの動向が決まって欲しいものです。