真夏のキャラバンにおける熱問題を回避するために、一旦取り外した
オルビスの排気カバーですが、最終型とはならなかったものの、諦めたわけでもありません。

但し、現状では問題があるため、抜本から見直してみようと考え、あれこれ夢想しています。

その上で、そもそも後方排気たる我が家のオルビスの排気を何とかしたいと強く思わせるのは、現行のオルビス・イオが下方排気へと変更になったところが大きいのです。


ならば、下方排気にできないものかと考えるところがあり、春の大阪でのショーで、キャンピングワークス社の小西社長に変更メニューを作ってもらえないかを聞いたところ、現実問題として難しいとの回答でした。
その時に二次マフラーとしてのサウンドカッターの利用についても意見を聞くと、煤の問題等があり、以前よりは改良されているものの、基本的にはおすすめできないと言われてしまいました。
実際にそのようなオルビス個体も存在するので、施工しておきながらなんだかなぁという感じですが、その個体で問題が起きている可能性もあるのでなんとも言えません。
ネットで調べていると、ビル等の建物用の
非常用発電機に関する文献があり、その中でも排気管はできるだけ短く真っ直ぐに設けるべきだと明記されており、私自身も2次マフラーの選択はなくなり、結果として小西社長の言うとおりに一連の排気カバーのチャレンジとなったのでした。

しかしながら、排気カバーの熱問題のハードルが高く中断に至った為、少し前に、キャンピングワークス社の小西社長に再度メールで下方排気化の可否について問い合わせをしてみました。
同時に、大量の煤が出るという部分についても回答を求めてみました。
その結果、下方排気化の可否については可能ということになり、専用燃料ポンプへの変更と下方排気化メニューについて、ご提案をいただくことができました。
その中で、私がそれまで持っていた間違った情報についても訂正する事ができました。
私はオルビスの発電機は、走行中の使用を可能とするために、キャブレターを2輪車のものに変更していると思い込んでいました。
しかし、実際には
キャブレターはノーマルそのままであり、燃料ポンプのみ2輪車のものを使用していたようです。
その燃料ポンプも、昨年後半のモデルから専用の燃料ポンプを採用しているということですが、何がどう改善されるのかはよくわかりません。
しかしながら、車載発電機の煤が酷いことを相談していることから、その点が改善されると考えるのが自然ですが、ノーマルのままだという
キャブレター自体はセッティングも行っていないというので、燃料ポンプによる燃料供給が安定してないというだけで、そうなるのかはちょっと理解できていないです。
なお、G-STREAMや雷電はキャブレターのセッティングが行われているそうです。
何れにしても、煤については燃焼の問題ですから、2輪車と同じような考え方でいいように思いますので、バイクの専門家の意見を聞きながらおいおい考えていきたいと思います。
では、「下方排気についてはどうなのか?」ですが、現行の下方排気のオルビスの資料が少なく、雷電のマフラーが同じ経路を持っていた為、雷電のマフラーを利用しているのかと聞いたところ、マフラーはノーマルを改造しているという回答を得ていましたが、現行車のユーザーさんがミクシィに写真をアップされていたので、それが確認できました。
では、後方排気を下方排気に変更するのにいくら掛かるのか?
ずばり、燃料ポンプの交換を含めて12万円掛かるそうです。
なお、これは新古品のマフラー利用を前提に、発電機を自分で取り外して送り、改造後送り返してもらう形であり、かつその分の送料は別途となります。
また、燃料ポンプの交換(配管込)だけで2万円ということでしたので、下方排気化だけなら10万円というになりそうです。
下方排気に燃料ポンプの交換が必須なのかどうかはわかりません。
現在のヤマハのEF2800iSEの
「価格.com」の最安値が20万を切るなかでは、正直この金額は出しにくい。
ノーマルマフラー内は2室に分かれているようなので、排気管を移動して溶接するにしても、特別なことはできそうにないので、単純に移設している可能性が高いと思うのですが、それならどこかで溶接してもらったらいいんじゃないかと思ったり・・・。
ホームセンターで溶接機を見たりもしましたが、さすがに免許も必要でそんな簡単なものじゃないですね。
そうこうしながら、ヤマハのホームページでパーツリストの図とにらめっこしていると、発電機自体のファンの存在が気になってきました。

移動する車やオートバイのエンジンの場合は、走行時の風による冷却、いわゆる空冷が可能なわけですが、固定した場所での稼動を前提とした発電機の場合は、風を受けることができないので、エンジンのファンに頼ることになります。
オルビスの車載発電機も、発電機室の扉を閉めているとわかりませんが、発電機自体は排気管からの排気とは別に、ファンによる熱を伴った風が勢いよく出ています。
ファンからの風は、発電機のマフラーを冷やしながら排気管のあるルーバーから排出されます。
ここで、ちょっと検証してみたいことが出てきました。
というのは、私がチャレンジしていた排気カバーでは、如何にして熱を遮断するかということが課題だった訳ですが、その対策を考える中で、部材の
熱伝導率というものに興味を持ちました。
耐熱性はもちろんですが、熱伝導が高いと排気熱をそのまま受けて温度が下がらない。
最終的に、温度を下げるのは空気であって、その空気というのが最も熱伝導率の低い物質なのでした。

ということは、空気と一緒に排出されることが最も効率の良い排気熱の下げ方なのではないかと思ったわけです。
そういえば、元々の発電機は排気と冷却風が同じところから排出されています。
それを、オルビスではわざわざ排気管を延ばして排気のみを後方へ排気して、冷却風は発電機室内へ排出後、ファンで外部へ排出しています。
これは一重に音を抑えるためなのだろうと考えます。
静音の前に排気熱を考える上では、この冷却風を利用できないのだろうか?
現在この段階であり、頭のなかで瞑想するのみで、現実の我が家のオルビスイオはノーマル状態です。
ところが、ここで一つ疑問がわいてきました。
現行オルビスイオの下方排気では、冷却のための風が下部開口部と上部のルーバーの2か所に分散して排出されることになるため、風力が極端に落ちるであろうと想像できます。上部のルーバーはそれを考慮して
大部分を塞いでいるものと思われますが、風力が落ちれば、当然冷却力も落ちているだろうと思われます。
H26.5.18小西社長に確認すると、当初より上部は全面塞いでいるそうです。よって冷却風は全て下方へ流れているそうです。お詫びして訂正いたします。ルナで検証済みという下方排気ですが、我が家が今年体験した、TDS駐車場での真夏の長時間運転でも問題が出ないものか、些か疑問に感じてきています。
下方排気構想自体は私がオルビスを購入する以前から、あるオーナーさんの
ブログ記事で目にしていたので、実行までに時間が掛かったのは、やはりその構造上冷却を維持することが難しかったのだろうと思われます。
そして、実現したとはいえ、本当の意味での検証はできていないのかもしれません。
ノーマルでさえ、熱ダレを経験されてファンを増設する方も居られるので、過酷な状況で本当に耐えられるのかはやはり心配になります。
いやらしい勘ぐりをすると、新しいグレードであるシンプルな「
オルビススポーツ」が標準で後方排気というのは、絶対的な自信にまで至っていないのではないかと思ったりもします。(関係ないですが、スポーツのリンク切れてますね)
単にコストの問題とは思いますが、オルビスにとっては肝の発電機のことですから、本当にそれが良い方法なら全て下方排気にするべきだと個人的には思ったりします。
とは言っても、基本的には問題が出なければOKという世界ですから、現実的に発電機が故障したり不調にならなければいいわけで、オルビスルナやオルビスイオの標準に採用されたというのは、問題が起こっていない証と言えます。
あとは、どこまで過酷な状況で耐えることができるのかだと思いますが、安全マージンは確実に後方排気よりは落ちているのだろうと感じています。
こうなると、どちらを選択するのかはユーザーの求めるものとなるので、その上でならスポーツの選択肢もありなのかもしれません。
こんなことを考えていると、下方排気が必ずしも良いとは思わなくなり、やはり、発電機標準のファンからの冷却風とともに排気するというのが良さげに感じているのですが、果たしてそれで音の問題をクリアできるのかです。
静音化のために排気と冷却風を分けているとすれば、元の木阿弥かも知れません。
巷では個人レベルで小型発電機用の防音ボックスが作成され、車載発電機より静かだと言われていて、私自身もそうだと思っていましたが、現実には発電機を完全にボックスの中にはめ込んでしまっているので、それに伴う故障や不具合も多いと思われます。
オルビスの発電機も比較されることも多いと思いますが、実際にはオルビスの発電機はかなり安全マージンを取っていると言えます。

これは発電機を外したオルビスの発電機室の奥、つまりフロント方面ですが、白いガレージのモルタルの床が丸見えです。
反対にフロント側から発電機側を見るとこんな感じです。

オルビスの発電機室は、実はボックスと言えるほどの密閉空間にはなっていないのです。
前側の約半分は開口部となっているものの、それが車体下にあたるため、音の問題はさほど問題になっていないだけなのです。
ですから、音の問題だけを考えれば、フロント側の開口部も遮断してしまって、自作の防音ボックスのようにしてしまえば、更に静音化は可能でしょうが、効果の割にトラブルのリスクが飛躍的に上昇するでしょう。
また、そのような状態ではビルダーも車として販売することは難しいのかもしれません。
ファンを設置するなどして通気をきちんと確保することで、不可能ではないかもしれませんが、ファンの故障や万が一の場合、単なる発電機の故障だけでは済まない可能性があります。
そう考えると、自作の発電機ボックスと比較すること自体がナンセンスであり、安全を担保しつつ音を抑えたオルビスはよく考えられていると言えるのではないでしょうか?
比較的音の影響の出にくいフロント側をオープンにすることは可能であっても、リアはそうもいきません。
最後部に位置するオルビスの発電機室は分厚い防音扉で塞がれる事となります。
排気管だけは延長されてそのまま顔を出していますが、排気管からの音というのはさほど大きなものではなく、タオル1枚かければ聞こえなくなるような次元です。
実際、排気カバーを取り付ければ、排気としての音はないに等しかったです。
ですが、発電機のエンジン本体やファンによる冷却風の音の方が強敵です。
排気と冷却風を一緒に排出するとなると、一気に静音に対するハードルが上がるのではないかと懸念しています。
今私が頭のなかで考えているようなことは、おそらく大昔にキャンピングワークスさんが試行錯誤されたことなんだろうと思いながらも、何かの間違いでベストな方法が見つかるかも?と一種の宝探し的なものなのかもしれません。
そして、更に敵は音だけではありません。
私が大森自動車さんで初めて発電機を稼働させたオルビスの実車を見せてもらった時に感じたのは、発電機はエンジンなので排気ガスを出すという当たり前のことです。
たまたま、ブロック塀にお尻を向けて停めてあったことで、発電機の排気臭が壁に跳ね返って来ていたのです。
そして、そこから究極に思うことは、発電機を無音に出来ないというのは当然ですが、たとえ無音に近い状態にできたとしても排気臭までは消せないということであり、排気の方向によって、稼働できないケースは常に存在するということです。
そう考えると、音だけにこだわるのではなく、全てにおいてバランスが大事なのだと思うようになりました。
とはいえ、静音化は永遠のテーマでしょうけどね。
また、今年起きた福知山での爆発事故から、ガソリン携行缶による事故の怖さを知りましたが、携行缶を利用しなくて良いということが、車載発電機のメリットだということにも改めて気づかされました。
最近はセルフのガソリンスタンドも多いですしね。(携行缶へのセルフでの給油は禁じられています)
最後は、話が変わってきてしまいましたが、携行缶をお使いの方は、こんなことにならないようご注意下さい。