昨日は久しぶりに富士フィルムのカメラに戻したのですが、その理由は広角レンズと単焦点の望遠レンズの使い分けをしたくて、2台持ちしたかったからです。
レンズ交換式とはいえ、シャッターを押すたびにレンズを交換するわけにはいきませんから、やはり2台持ちが理想です。
そうなると、レンズが標準ズームと単焦点だけでボディが1台しかないソニーでは不可能なので、富士フィルムの「X-H1」と「X-Pro2」の2台体制を敷きました。
ボディ内手ブレ補正のついた「X-H1」には、手ブレ補正のない単焦点レンズを使い、ボディ内手ブレ補正のない「X-Pro2」には、手ブレ補正つきの広角ズームレンズを装着しました。
ところが、撮影した画像を、帰宅してからハードディスクへ移していて、がっかりすることがありました。
「X-Pro2」の撮影設定がうっかりRAWファイルを保存しないJPEGのみ残す設定になっていたのです。
なので残念ながら、今回は広角レンズを使用して撮影した画像はRAW現像できません。
JPEG画像を編集することも可能ではありますが、圧縮されて情報の削られたJPEG画像は、確実に画質が劣化するので基本的にはやりたくありません。
もちろん、スマホで見るような小さな画像なら、劣化が気にならないケースが多いとは思うのですが、変なこだわりが出てしまいます。
救いは自分が好きな単焦点レンズを使用した「X-H1」の方が、ちゃんとRAWで保存されていたので、そちらをRAW現像することにします。
また、スマートフォンで撮影する場合にも、LEICAレンズのアンドロイド機「HUAWEI P10 Plus」は、そもそも好みの画像にしてくれますし、万が一気に入らなくともRAW保存が可能なので、後から再現像もできます。
一方で、iPhoneの場合は、そのままではRAWを扱うことができません。
昨日の紅葉を撮影するなかで、思うような写真にならないと言ううちの奥さんに、RAW現像のやり方を教えてあげました。
その方法は…
先ずはAdobe社の無料アプリ「Lightroom」をダウンロードしてインストールします。

このスマホ版の「Lightroom」は、カメラの撮影機能も持っていて、この「Lightroom」のカメラで撮影すると、RAW画像が保存できるのです。

アプリを起動して画面右下のカメラマークをタップすると、撮影モードになりますが、この時、撮影ファイル形式の表示が出ていますので、JPEGになっている場合、そこをタップして、次の画面で切り替えてください。
ちなみに「DNG」というのは、Adobe社が提唱するRAWファイル形式です。

では、実際に撮影してみます。

プロフェッショナルモードでは、いろいろな設定が可能ですが、今回はオートで撮影します。

標準のカメラアプリ同様に、画面上の丸いシャッターボタンを押せば、撮影完了です。
撮影された画像は、アプリ内の画像一覧に表示されます。

なお、これらの画像はあくまで「Lightroom」アプリ内の画像であり、iPhone内のカメラロール等の写真とは異なります。

該当の写真を選択すると、編集画面が現れます。
手付かずのRAW画像は、iPhoneのカメラで撮影したJPEGよりも、白っぽく濁った感じです。
ここで、下に並ぶ項目から「自動」をチョイスすれば、「Lightroom」が勝手に数値を弄ってくれます。
ですが、それでは「Lightroom」を使う意味が無いので、自分で触ってみましょう。

もっとも手っ取り早く見栄えがするのは、「効果」の中の「かすみの除去」というシークバーを右へ移動することです。

これだけで、写真がクッキリとメリハリのある綺麗だと感じるものになります。

この上、「カラー」の中の「自然な彩度」を右へスライドしてやると…

彩度がさらに上がって、更にメリハリが出ます。
もっとも、このように100まで動かすと通常はやり過ぎでとても不自然な色の出方となってしまいます。
普通の写真としては不自然でお勧めできませんが、これを自然な範囲で活用すれば、色彩豊かな見て美しいと感じる写真になります。
最初に登場した「かすみの除去」は、それひとつでいろいろと調整してくれるようなので、敢えて他は弄る必要がない場合も多いかも知れませんが、撮影した写真と自分の望む写真とを近づけるために、いろんな調整にチャレンジして、自分の現像パターンを追及してみましょう。
暗く光の足りない写真となってしまっていたら「ライト」にある「露光量」で明るくしたり、「コントラスト」でメリハリかディテールかを調節したり、光で白っぽくなっていたら、「ハイライト」を抑えることでその下にある模様が浮き出たり、「シャドウ」で陰のディテールがはっきり表れることで見えなかったものを見せることができたりと、自分の表現に合わせた1枚に変身させることができます。
RAWファイルからの現像なら、極端な設定でない限りは極力劣化をさせずにいろいろなパターンで現像することができます。
もちろん、iPhoneの標準カメラで撮影したJPEG画像でも、現像自体は可能なのですが、先に述べたように、圧縮済みで既にほとんどの情報が切り捨てられた中での現像というのは、更に切り捨てることしかできませんので、どうしてもより劣化してしまうので、そこを知った上で使用することが必要です。
しかしながら、RAWファイルにも弱点があって、それはファイルサイズが大きいということに他なりません。
ただでさえストレージがすぐに一杯になるiPhoneでは、致命的な問題となり得るので、現像して好みのJPEGとしてカメラロールに保存した後は、元のRAWファイルを削除することをお勧めします。
スマホでのRAW現像に興味がわいた方は、無料でできますし、一度試してみると面白いですよ。