フルサイズミラーレスのソニーα7Bの為に購入したEマウントにしては安いレンズ「FE85mmF1.8」ですが、中望遠レンズとなって、常用レンズとしては、少々使いにくいと感じる方も多いかも知れません。
当初は、定番らしい55mmの「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 」を検討していましたが、私がα7Bの唯一のレンズに、このレンズをチョイスしたのには、実は理由があるのです。
もちろん、55mmよりも安く手が出し安かったですし、Eマウントレンズとしては、価格の割に評価が高いということもあるのですが、85mmという焦点距離にも魅力を感じたのです。
ソニーのフルサイズが自分に合うのかどうかを評価する上で、現在使用中の富士フイルムとの比較は避けて通れません。
その富士フイルムのカメラで、私が常用しているレンズが、「フジノンレンズ XF56mmF1.2 R」というレンズなのですが、私が所有するレンズの中でも、最も明るいレンズとなります。
そして、注目すべきはその焦点距離でありであり、富士フイルムのAPS-Cセンサーによる56mmというのは、ソニーのフルサイズセンサーでは、換算84mmとなるのです。
つまり、ほぼ同じ画角となる為、比較するのに打ってつけな訳です。
元々、ペンタックスのAPS-C機にフィルムレンズの50mm、フルサイズ換算75mm付近の中望遠のマニュアルフォーカスからカメラに目覚めたことで、私にとっては、中望遠が原点と感じているのです。
自分の目の前に広がる視界の内の一部に目をやることで、日常とは違うシーンを感じる…それは、ソール・ライターの写真は発見であるという言葉に近いものです。
紛れも無い日常の景色であっても、その一瞬や一部を切り取ることで、漫然と見逃していた景色を発見するわけです。
まぁ、ウンチクは置いておいて、この2つの組み合わせで、撮り比べするべく、昨日、いつものSLのあるお寺へ行ってみました。

今回のブログエントリーのタイトル通り、富士フイルムのX-T2&56mmF1.2の組み合わせに対して、ソニーα7B&85mmF1.8の組み合わせです。

大きさは似たようなものですが、グリップが薄い分、心持ちX-T2が小さい感じがしますが、重さの方は、α7Bはかなりずっしりと来ます。

イコールコンディションでの撮影としなければいけないところですが、富士フィルムのカメラでは、いつもフィルムシミュレーションでベルビアをチョイスしているので、スタンダートのプロビアに変更しました。

撮影画像のプロパティを比較してみますが、どちらも2400万画素同士ということで、画像サイズは全く同じですが、解像度は相当違いますね。

レンズの明るさF値が違うので、昼間の撮影ということでISO値をどちらも200の固定としたのですが、いつものうっかり発動で、X-T2の露出補正が-0.3となっていたのに気が付いていませんでした。
まぁ、比較の大勢に影響はないかな???
ボケを重視しているので、F値は違いますが、基本、どちらも解放とします。
ということで、実際の撮影画像へと参りますが、比較である点を考慮して、ここからの撮影画像は、オリジナルサイズのままアップしておりますので、画像をクリックするとオリジナルサイズの画像が開きますので、モバイルの方はご注意願います。
わかりやすいように、事前にPC画面で比較したキャプチャ画像も一部アップします。
左が富士フィルム、右がソニーです。

先ずは、SLの側面を撮影したこの画像から。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8
富士フィルムの方がやや暗いのは、露出補正が影響してる?
でも、正直、差はほとんどない気がします。

拡大すると、ソニーの方には少しパープルフリンジが出ているようです。
まぁ、ペンタックスでは良く経験しましたが、フジでフリンジが出たことないような…。
次行ってみましょう。

同じくSLの側面です。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8

等倍や拡大画像を確認すると、ピントが何処へ来ているかでポイント的には全く見え方が変わってしまうので難しいです。
次はこれ。

これは本当に違いが見つけられない。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8
牛の目の部分を拡大。

次もSLの側面なのですが、今度は絞ってどちらもF8として、富士フィルムのフィルムシミュレーションをベルビア、ソニーのクリエイティブスタイルをビビッドにしてみました。

これは意外や意外、違いが判らない。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8
やはり富士フィルムの色にこだわることはないのかな…

ソニー機の操作に慣れていないので、上空に小さく飛行機が見えた時に、撮影を試みたのですが、X-T2では撮影できましたが、α7Bでは、ピントが掴めずシャッターが押せませんでした。
設定の問題なのでしょうか?
要解明です。
その後に、先ほどより少し大きく見える飛行機が飛んでいたので、再チャレンジしたところ、どちらも撮影できました。

先ずα7Bで撮影してから、片付け途中だったX-T2を準備して撮影したので、多少のタイムラグがあり、飛行機の角度が違っていますので、厳密な比較は難しいかも知れません。

>FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8

ここからは、単純に両機のオリジナル写真のみ並べます。
絞り開放、色設定もスタンダートですが、シーンによっては色に違いが出ているものもありました。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8
ひしゃくの色が違う。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8
アジサイの花の色も違います。

FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2

SONYα7B&FE85mmF1.8
このボケは富士フィルムの方が綺麗?
オリジナル画像はサーバー容量を圧迫するのでこの辺で終わります。
ネットの記事のよると、α7は、1型、2型、3型共に現行販売していて、昼間の写りの差はないということらしい。
なので、α7Bの真価は、やはり夜間や暗所ということになるようです。
昼間に関しては、今回の「FUJIFIRMX-T2&XF56oF1.2」と「SONYα7B&FE85mmF1.8」の違いは無いに等しいと感じましたが、当然その価格には差があります。
本日現在の価格.cmの価格を見てみると…
富士フィルムが115,000+87,285=202,285円
ソニーが212,291+57,340=269,631円
α7Bのボディ本体の価格で、富士フィルムこの組み合わせが買えるということになります。
廉価なソニーのこのレンズ、今見たら価格.comの単焦点レンズで売れ筋ランキング1位となっていました。
価格の割に良いレンズということでしょうが、高価なソニーのレンズの中での希少な選択肢とも言えるのかも知れません。
今回の比較だけを見れば、富士フィルムで良いじゃないと思えますが、α7Bのシャッターフィーリングを体験したら、X-T2が頼りないおもちゃのように感じたということは付け加えておきます。
まぁ、元々シャッター音はX-T2よりもX-Pro2の方が数段素晴らしいのですが。