ソニーが2年前に市場に投入した「
レンズスタイルカメラ」というジャンルのカメラですが、私もQX30というカメラを所有しています。
私の場合、中学時代に写真部で一眼レフを持っていたということは有りましたが、社会人になってからは、子供の記録にコンデジを使う位で、特段、一眼レフやミラーレスに興味が無かったところを、このQX30による、一眼撮影疑似体験が、カメラの世界へ引き込まれるきっかけとなりました。
オートで、風景や静物をその気になって撮影するのが、なかなか面白かったですが、動物なんかを撮るには、WiFiでスマホに飛ばすモニター映像のタイムラグが致命的で、何より、XperiaZ3と同じ、豆粒のような小さなセンサーでは、思うようなボケの立体感は望めませんでした。
また、撮影時のデータを全て記録するRAWファイルでの撮影ができないということもあり、一眼レフやミラーレスの導入により、だんだんとその出番は無くなり、同じソニーのRX100M3によって、完全に持ち歩かなくなりました。
そこで、売却して交換レンズの費用の足しにしようかと考えていましたが、なかなか手放す気になれません。
理由は2つ。
先ず1つ目の理由は、オリンパスから発売されている、同ジャンルと言って良いカメラ、OLYMPUS AIR A01 の存在です。
以前、このブログでも取り上げたオリンパスのレンズスタイルカメラですが、マウントにマイクロフォーサーズを利用した、コンパクトさが売りです。
この時の
記事でも、言いたいことは言ってしまってますが、ソニーの後追いに感じるので、その後の
記事でも、我ながらやや厳しい書き方をしていますね。
ですが、実際のところ、あれから半年経ちますが、未だ期待したびっくりするような使用方法は出て来ていないように思います。
ソニーの呼ぶ「レンズスタイルカメラ」とは名乗らず、「オープンプラットフォームカメラ(OPC)」と名乗り、アプリケーションが開発できるソフトウェアキットや周辺パーツが作成できるよう3Dデータを提供して、全く違うアプローチをしています。

この「
オリンパス OPC HACK & MAKE Project」という切り口が、私のハートにはビンビン来るのですが、反面オリンパスの姿勢に疑問を抱くこともあります。

それは、オリンパス自身がプロジェクトをユーザーにフィードバックするという姿勢が見えないことです。
基本アプリこそありますが、その先はユーザーに丸投げで、3Dデータから生まれたアフターパーツについても我関せずという感じでしょうか。
もちろん、未だ始まったばかりのプロジェクトなので、現在は盛り上がっているようですし、今後、何らかの展開があるのかもしれませんが、場合によっては、そのまま頭打ちでひっそりと終了なんてこともあり得るのではないかと心配しています。
その心配の理由は、現在もなお、
オリンパスのネット直販のみで、使い勝手の参考になる価格ドットコムでは、直販のみの場合、メーカーが承諾しないかぎり、専用掲示板ができないらしく、オリンパスはそれを認めていないというのです。
この姿勢は、商品を購入するユーザーとしては、やや不安を覚えます。
ソニーは、一般市場で販売しているので、掲示板は無条件に存在しますが、レンズスタイル特有の問題を指摘されることも多いというのが現状であり、ユーザーはそれらの問題を考慮した上で、それでも購入するということになりますが、オリンパスの場合には、情報が少なすぎます。
専用アプリについても、ソニーの場合は、販売するハンディカムやアクションカムにサイバーショットと全機種で一つのアプリを利用する為、頻繁にアップデートが行われ、将来に向けてもアプリのサポートに心配はありません。
しかしながら、量販店で販売されることのない、直販のみの僅かな販売数のOLYMPUS AIR A01 の場合、スマホの変化に合わせて、サポートを継続することが可能なものか、甚だ疑問です。
アプリのサポートに対する販売量が少なすぎますから、途中で打ち切りということになるのではないかという心配があります。
現在は、「オリンパス OPC HACK & MAKE Project」自体が企業イメージのCMのような役割も果たしているものと思われますが、画期的な使用方法でも生まれないかぎり、しぼんでいってしまうのではないかと危惧しています。
本来なら、現在は私自身もパナソニックGX7のユーザーであることから、OLYMPUS AIR A01 に取付可能なレンズが複数あるので、レンズを一つも持たないソニーのQX1とは違って、本体のみでOKですし、正直、買っても良いなと感じているのですが、そこの不安が払拭できないのです。
また、ソニーのQX30を使った経験上、この手のカメラのメリット、デメリットもよくわかっているつもりです。
その上で、このタイプのカメラでは、レンズ交換式よりもより軽量コンパクトにまとめることの出来る、一体型、つまりコンデジタイプの方が合うと思っています。
コンパクトさを失うと、レンズスタイルであるメリットを失い、WiFiによる接続のタイムラグ等、デメリットしか残らないからです。
コンパクトでなくて良いなら、普通の一眼を選択すべきなのです。
でも、このレンズスタイルならではの楽しさという点では、ソニーもオリンパスも同じです。
ただ、メーカーの提供する機能の範囲で楽しむソニーと、その範囲をユーザーの手で広げようと試みているオリンパス、そんな感じでしょうか。
ちなみに、現在までのOLYMPUS AIR A01 を使ったアイデアは、商品ページの最後の「関連リンク」からいろいろと見ることができます。
バナナを食べてシャッターを切るなんてことは、ソニーにはできませんが、現状のアイデアについては、実用性に欠けるか、ソニーのレンズスタイルカメラでも出来るかのどちらかじゃないかと思います。

もちろん、この過程を楽しむというのも、ひとつの楽しみですし、クリエイティブな感じがお洒落にも見えます。
しかしながら、商品として考えると、メーカーがお茶を濁しているようにも見えるわけです。
まぁ、これは、OLYMPUS AIR A01 が欲しいけど、がっかりするのが怖い私の嫉妬かも知れません。
本当は、QX30を手放して、OLYMPUS AIR A01 に乗り換えたい気持ちがあるのかも知れません。
ダラダラとした理由説明になってしまいましたが、要は、OLYMPUS AIR A01 が手放しで買えるほどのものではないようなので、それがQX30を手放せない1つ目の理由なわけです。
そして、QX30を手放せない2つ目の理由がGIZMONのICA5というiPhoneケースとの良い関係です。

この通り、GIZMONのICA5というiPhoneケースは、クラシカルなカメラの形をしている上に、ソニーのQXシリーズ専用のマウントが存在するのです。

加えて、専用の革調ケースで、何とも魅力的なトイカメラと変貌します。

カメラに興味がない方なら、こういうカメラだと思ってしまうかも知れません。

このケースとマウントの存在が、手放したくなくなる理由です。

なお、本来、画質ベースで言えば、QXシリーズの中でもQX100が、RX100シリーズ同様の内容なので、魅力的ではあるのですが、RX100M3を持ち歩いている私の場合、ほぼ同内容のQX100である必要性があまり感じられません。
反面、豆粒センサーではありますが、ズームが光学30倍のQX30なら、35mm換算で720mmの望遠となりますから、ボケなんかは期待できませんが、コンパクトに望遠を持ち歩けると考えると、ありじゃないかと思えてきます。
マイクロフォーサーズの場合、35mm換算で2倍の焦点距離になるので、720mm相当となれば、35mm換算で600mmとなる300mmズームレンズあたりになりますが、レンズ単体での重量がオリンパスで423g、レンズ内手ぶれ補正内臓のパナソニックの場合は520gにもなります。
OLYMPUS AIR A01 の147gと合わせると、570gもしくは667gとなり、価格も合わせて確実に8万円を超えてきます。
一方、それがQX30だと、本体のみ173g、バッテリーを含んでも193gで、価格も実売で4万円前後ですから半分ですみます。
QX30は手ぶれ補正も強力ですが、OLYMPUS AIR A01 は手ぶれ補正を内蔵しません。
もっとも、あくまでコンデジベースのQX30はRAWファイル非対応ですし、画質は以前、ペンタックスのK-50+シグマ300mm(35mm換算で450mm)と比較して、この記事のような結果ですが…。
ズームレンズのなんちゃって比較2(屋外編)なので、比較すること自体に無理がありますが、どうしても望遠が欲しいという時にあると役に立つ可能性はあります。
ポップアップEVF付きで、見た目がRX100M3そっくりの、同じく30倍ズームの
サイバーショットHX90Vなんて機種も出ましたが、RX100M3があるので、HX90VよりはQX30かなと思います。
よって、トイカメラとしての見た目と望遠用途のみで、QX30はありだという結論に達しました。
まぁ、長々と理由を述べてきましたが、こうは言いつつ、気が付けば、QX1やAIR A01が手元にあるなんて事態も、この先100%ないとは言い切れないのですが…。