私としては「カキオコ」を食べに日生へ行っても良いなぁと思っていたので、前日に奥さんに軽く振ってみましたが、明確な反応が無かったので、自宅に籠るならこれをしようということを決めていました。
その一つがあるドラマを見終えることです。
劇場版「グランメゾン・パリ」を観るために、年末年始は「グランメゾン・東京」を集中して観たことで、新たな楽しみができたことは記憶に新しいのですが、今回のドラマは趣旨が少し違います。
今回観たドラマは「パーフェクトワールド」という関西テレビ制作の6年前のドラマです。

放送時には全く知らなかったのか、一切記憶にはないドラマでした。
でも偶然、TVerでその存在を知り、内容が脊髄損傷による車椅子の主人公であるということを知りました。
過去の記事にも書いていますが、我が家の次男は、2022年10月に還暦の女性が運転する対向する自動車に道をふさがれ、一切の過失なく正面衝突することとなり脊髄損傷となりました。
就職してわずか半年、誕生日まで1週間もないタイミングでした。
そんな降って湧いたような現実に、戸惑い、右往左往するここ2年ほどでしたが、退院し、リハビリを頑張り、嘱託とはなりましたが、復職を果たせた現在は、新たな日常がスタートした感覚です。
その日常は、歩けない車いす生活による、これまで気にも留めていなかった数々の気付きを与えてくれます。
そして、そんな気付きがあるからこそ、車いすがテーマとなった作品には興味を持つのです。
実は、ドラマ「パーフェクトワールド」を視聴する前にもあるドラマを観たことがあります。
それは「君に捧げるエンブレム」という2017年のお正月、1月3日に放送されたスペシャルドラマです。

主人公を櫻井翔君が演じ、長澤まさみさんをはじめ、豪華なキャストのドラマでしたが、フジテレビの有料サブスク「FOD」でも現在は観ることはできません。
このドラマには原作があって、その原作「車椅子バスケのJリーガー」は、元Jリーガーの京谷和幸さんが交通事故により脊髄損傷、下半身不随という傷を負い、車椅子生活から車椅子バスケで日本代表選手となった実話です。

人気者の櫻井翔君を起用したドラマでありながら、何故、観る術がないのか気になるところですが、ひょっとするとその描写に問題があるのかも?なんて邪推してしまいます。
私が観た限りでは、障害についての描写が浅い・・・というか浅すぎる。
CM含めての2時間半では、細かな描写は難しいと考えたのかも知れませんが、表面だけのドラマに思えました。
気付きから期待していた人間としては、がっかりしたと言うよりありません。
しかしながら、こんな声もあるので、取り上げてもらえるだけでも力になるのかも知れません。
奇しくも現在危機が伝えられているフジテレビの作品ということで、作品にまで先入観が入りそうで怖いです。
京谷和幸さんは、現在車椅子バスケットボール男子日本代表ヘッドコーチを務められていることもあり、ご本人が再放送や配信に関してNOとされているのかも?なんて思ってしまいます。
一方で、連続ドラマとして放送された「パーフェクトワールド」は、フジ系列の関西テレビがその辺りをしっかりと学習したのかと思うほどの内容でした。
そこには、まさに次男のリアルが描かれていました。
もちろん、脊髄損傷といっても、人それぞれ損傷個所が違いますし、症状もまちまちです。
なので、次男に当てはまらない部分もありますが、車椅子バスケットをしている次男の周りには、その様々な症状の方が居て、やはりそれはリアルなのです。
また、次男に共通する部分があり、驚きもありました。
そして、ドラマの中にはさりげなく健常者というか社会へ向けての発信もしてくれていました。
例えば、松坂桃李君演じる主人公が、身障者用駐車場に車を停める際、健常者が停めないように置いてある三角コーンについて、手動運転で自ら運転する歩けないドライバーにとっては、それは障害物でしかないということをドラマの中で説明していたのです。
施設側としては配慮のつもりなのでしょうが、それは上辺しか見ていないと言わざるを得ません。
ドラマの話からは逸れますが、私個人的にも、施設の駐車場のあり方について思うことがあります。
それは、車椅子ドライバーと他の状況をごっちゃにしてしまっていることです。
例えば、施設の入口近くに妊婦さん、お年寄り、赤ちゃん連れマーク等に車椅子マークが一緒に表示されているケースがあります。
もちろん、それはそれぞれ必要な方の為の駐車スペースではあるのですが、多くの場合、通常の駐車スペースでも駐車自体は可能なケースが多いと思われます。
しかしながら、車椅子ドライバーの場合には、ドアの横に車椅子を置いて乗り降りする必要がある為、扉は全開にしなけれなばりません。
なので、通常の駐車スペースには、絶対に駐車できないのです。
車椅子が必要であっても乗り降りが普通に可能な方、例えばお年寄りの場合や、健常者のドライバーが居る場合にも、先に車椅子の方を降ろしてから通常の駐車スペースに駐車することが可能ですが、ドライバー自身が歩けず車椅子である場合には、車椅子用駐車場以外での駐車は不可能なのです。
恥ずかしながら、私自身も次男のことがあるまで、こんな単純なことに気が付きませんでした。
このことから、車椅子ドライバーの本音として、「駐車場の入口から一番遠いところで良いので、車椅子ドライバー専用枠を設けて欲しい」なんて言葉を目にしたことがあります。
施設の方には是非、理解して欲しいものです。
さて、ドラマの話に戻りますが、そういう理由で最後までしっかり観ることができました。
瀬戸康史君と山本美月さんの結婚のきっかけになったドラマですが、昨年のこのニュースも共演者だったんですよね。

ドラマ「パーフェクトワールド」については、FODをはじめ、U-NEXT、Hulu、YouTubeで観れるようですし、Blu-rayにDVDも発売されていますので、機会があれば是非観てください。
あと、この「パーフェクトワールド」には劇場版もあったのですね。
ケビン・コスナー主演の洋画のことではなく、同じ原作を基にして2018年10月に公開された「パーフェクトワールド 君といる奇跡」のことです。

こちらは未だ観ていないので、こちらも是非観てみたいと思います。